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『わかりやすい野球のルール』粟村哲志のブログ

『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)監修者である現役野球審判員のブログです
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【2017年公認野球規則改正(6)(10)(13)】

(6) 5.06(b)(3)(C)および同【原注】を次のように改める。(下線部を改正)
 野手が飛球を捕らえた後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合
【原注】 野手が正規の捕球をした後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合、ボールデッドとなり、各走者は野手がボールデッドの個所に入ったときの占有塁から1個の進塁が許される。

(10) 5.09(a)(1)【原注】の末尾を次のように改める。(下線部を改正)
正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合、ボールデッドとなる。走者については5.06(b)(3)(C)〔原注〕参照。

(13) 5.12(b)(6)の前段を次のように改め(下線部を改正)、後段を削除する。
 野手が飛球を捕らえた後、ボールデッドの個所に踏み込んだり、倒れ込んだ場合。各走者は、アウトにされるおそれなく、野手がボールデッドの個所に入ったときの占有塁から1個の進塁が許される。


 今年の改正の中では、かなり重要なもののひとつです。野手がフィールド内で飛球を正規にキャッチした後でボールデッド地域に踏み込んだり、倒れ込んだりした場合の処置の一部に変更があります。

 原則的な考え方としては、正規に捕球した後でその野手がボールデッド地域に踏み込んだり倒れ込んだりしてしまった場合、捕球は認められますが、ボールデッド地域に入った瞬間にボールデッドとなります。そして、塁上に走者がいれば、各走者はボールデッドになった時点で占有していた塁から1個の進塁が与えられます。

 これは例えば、次のようなケースが考えられます。

(1) 外野手がホームラン性の飛球を追い、フェンスによじ登って捕球したが、そのまま観客席に倒れ込んでしまった。
(2) ファウルフライを追いかけた野手が、フライは捕球したが勢い余ってそのままカメラマン席に飛び込んでしまった。

 このような場合、いずれも捕球は認められてアウトがひとつ増えますが、塁に走者がいれば1個ずつ進塁することになるわけです。

 しかし、昨年まではベンチおよびダッグアウトは例外的な扱いになっていました。ベンチおよびダッグアウトも原則的にはボールデッド地域となっていて、例えば打球や送球がベンチに入ればボールデッドになります。飛球を捕球した後の倒れ込みについても同様で、飛球を正規に捕球しても、ベンチ・ダッグアウトに倒れ込んでしまえばボールデッドとなり、走者には1個の進塁が許されます。ひとつだけ例外だったのが、昨年までは捕球後にベンチ・ダッグアウトに踏み込んでも、倒れ込まなければボールインプレイとしてプレイを続けることが許されていた点です。

 これが今年の改正で変更され、ベンチ・ダッグアウトであっても、踏み込んだだけでボールデッドとなることになりました。これはひとつには危険防止の観点があり、ベンチ前でギリギリ飛球を捕らえるプレイは見せ場でもありますが、ベンチに突っ込んでケガをする可能性もあるので、あまり行き過ぎたハッスルをしないようにしましょうという意味があります。

 少しルールに詳しい方なら、2006年まではベンチ・ダッグアウト内でのフライ捕球が認められていたのが、2007年の改正でベンチ・ダッグアウトに入り込んでの捕球が認められなくなり、その際に日本だけのルールとして今年の改正と同じ「捕球後ベンチに入ったらボールデッド」という【注】が加えられたことを覚えているかもしれません。日本の規則委員会としては米国規則委員会に「危険防止の観点もあり、ベンチ・ダッグアウトも他のボールデッド地域と同じ扱いにして規則をシンプルにしたらどうか」という申し入れをしたそうですが、この時は受け入れられませんでした。

 その後、日本では「捕球後ベンチに踏み込んでもプレイを続けられることが多いので、原文通りにした方がいいのではないか」という意見もあり、2011年改正で【注】は削除されました。しかし、昨年の米国の改正で結局ベンチ・ダッグアウトも含めてすべてのボールデッド地域を同じ扱いにすることになったため、最終的には日本の規則委員会の主張が認められた形になりました。

 ちなみに、昨年までの条文では、「野手が飛球を捕らえた後、ベンチまたはスタンド内に倒れ込んだり、ロープを越えて観衆内(観衆が競技場内まで入っているとき)に倒れ込んだ場合」と書いてありましたが、現在プロ野球が開催される球場でロープで観衆を仕切っている場所などなく、シンプルに「ボールデッドの個所」となったのも、ルールブックの古い表現を改めていく最近の流れに沿ったものでしょう。

 最後にアンパイアリングの情報ですが、ベンチ前へのファウルフライが上がった場合、これまではベンチに近づくのではなく、できるだけ最短距離を進んでフェンスに張り付いて捕球を確認するのが良いとされてきましたが、この規則改正によってMLBでは逆に最短距離を詰めるのではなく、できるだけベンチの前に近づいていこうとするようになっているそうです。これまでよりもややハッスルが必要ですが、ベンチへの踏み込みや倒れ込みを見定めるためには必要な動きだと思います。


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プロフィール

粟村哲志

Author:粟村哲志
1975年8月4日広島県生まれ。早稲田大学卒。早大在学中に、故・西大立目永氏に師事して審判を学ぶ。リトルシニア関東連盟審判員、東京都野球連盟(JABA)審判員等を経て、2007年から国内独立リーグで活動。2007年北信越BCリーグ、2008年四国・九州アイランドリーグ、2012BCリーグ、2013~2014年ルートインBCリーグ(クルーチーフ)、2015日本女子プロ野球リーグで審判員を務める。

現在は、リトルシニア関東連盟審判部技術委員(練馬シニア所属)。NPO法人Umpire Development Corporation正会員。関東審判倶楽部(KUC)アドバイザー。東都学生軟式野球連盟嘱託審判員。

監修書に『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)、『バッティングパーフェクトマスター』『ピッチングパーフェクトマスター』(別冊ルール解説、新星出版社)がある。インタビューおよび寄稿に「中学野球小僧」(白夜書房)2006年7月号「実戦で役立つボーク完全解説」p114~121、2007年1月号「ぼくらの野球用具大特集」p46、2007年5月号「7つの場面で徹底理解するランナーのルール」p162~169、2008年5月号「中学球児のためのグラウンドルール&マナー講座」p114~119など。

主な出場記録は以下の通り。
【リトルシニア】
日本選手権大会(00~07、09~15)
全国選抜大会(02、04~05、07、10、13、15)
ジャイアンツカップ(01~02、06~07、09~15)
【プロアマ交流戦】
茨城ゴールデンゴールズ対NPB選抜「フューチャーズ」球審(2007.5.31 水戸市民球場)
【BCリーグ】
2007年公式戦6試合出場
2012年公式戦2試合出場
2013年公式戦37試合(うちGCS2試合)/NPB交流戦1試合/OP戦2試合出場
2014年公式戦(集計中)
【四国・九州アイランドリーグ】
2008年公式戦55試合出場/NPB交流戦2試合出場
【女子プロ野球リーグ】
2015年公式戦(集計中)

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