『わかりやすい野球のルール』粟村哲志のブログ

『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)監修者である現役野球審判員のブログです
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インフィールドフライでダブルプレイ

 このブログではインフィールドフライの解説を取り上げることが多いような気がしますが、MLBで最近面白い例があったので紹介します。

 ひとつめはこちら。2016年4月8日のメッツ対フィリーズの試合で、8回表フィリーズの攻撃。状況は1死一・二塁です。



 打球はマウンド近くの三塁寄りに高々と舞い上がりました。インフィールドフライが宣告される中、オーライと手を挙げた三塁手がこの打球を捕球できず、地面に落としてしまいます。ところが、なぜか一塁走者が大きく塁を離れてしまっており、一・二塁間でランダウンプレイに。一塁走者はあえなくアウトになってしまいます。

 インフィールドフライが宣告されても、現実に野手がその飛球を正規に捕球できなかった場合、打者は宣告の時点でアウトになりますが、走者にはリタッチの義務がなくなります。フォースの状態も解除されるので、走者は危険を賭して次塁を狙うこともできますが、ここでは二塁走者もいますし、一塁走者のボーンヘッドと言わざるを得ません。ただ、アウトを宣告された打者も一塁に到達して、なんだか不思議そうな顔をしてしばらくとどまっているため、みんなあまりルールを理解していないようです。

 ふたつめも、実はフィリーズの試合です。ひとつめの例からわずか3日後の2016年4月11日に、こんなプレイが起きました。今度はちょっとややこしいです。



 今度もフィリーズの攻撃ですが、状況は6回裏・無死満塁です。打者が打ち上げた飛球はレフト方向に飛びましたが、左翼手は早くに打球を見失ってしまったようで、そのことを伝えるゼスチュアをしています。一方、遊撃手は捕球できそうな様子で後退していきます。しかし、結局遊撃手はこの打球に触れることなく捕球に失敗し、ボールは地面に落ちてしまいました。

 この時、動画の0:40付近にチラッと映っていますが、三塁塁審がインフィールドフライを宣告しています。完全に外野の芝生の中に飛んでいる打球なのにインフィールドフライが宣告されるなんておかしいんじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、インフィールドフライの要件は「内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるもの」であり、また審判員の判断によるものなので、審判員が、遊撃手が普通に守備すれば捕球できると判断したら、このくらいの位置の打球にインフィールドフライが宣告されることは過去にも例があります。この件については次の動画をご参照ください。



 話を戻して、ふたつめの例のプレイの続きですが、落球を見た三塁走者はタッグアップして本塁に向かいました。ひとつめの例で解説したように、インフィールドフライが宣告された場合でも、落球したときはリタッチの義務は生じないのできちんとタッグアップする必要はないのですが、これはまあいいでしょう。問題は二塁走者が、なんとなく気のない走塁で三塁に向かい、三塁到達寸前にボールを持った三塁手にタッグされてしまうのです。繰り返しますが、インフィールドフライが宣告された段階で打者はアウトになるため、フォースの状態は解除され、各塁の走者には進塁の義務がなくなります。それにもかかわらず、この二塁走者はゆるやかに三塁に向かい、そしてあっさりとベンチに帰っていきます。

 実はこの三塁走者(#16 Cesar Hernandez)と二塁走者(#37 Odubel Herrera)のペアは、4月8日のプレイでアウトになった一塁走者と打者走者のペアです。Hernandezも怪しいですが、Herreraについては間違いなくインフィールドフライのルールがまだよく理解できていないようです。

 このプレイはチャレンジとなりましたが、Herreraが三塁でアウトになったかどうかが際どかったのを確認するためのリプレイ検証だったようで、プレイは判定通りアウトとなりました。

 メジャーリーガーでも混乱することが多い、このインフィールドフライのルール。折に触れて確認しておきたいところです。それにしてもフィリーズは早急に勉強会が必要かもしれません。

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プロフィール

粟村哲志

Author:粟村哲志
1975年8月4日広島県生まれ。早稲田大学卒。早大在学中に、故・西大立目永氏に師事して審判を学ぶ。リトルシニア関東連盟審判員、東京都野球連盟(JABA)審判員等を経て、2007年から国内独立リーグで活動。2007年北信越BCリーグ、2008年四国・九州アイランドリーグ、2012BCリーグ、2013~2014年ルートインBCリーグ(クルーチーフ)、2015日本女子プロ野球リーグで審判員を務める。

現在は、リトルシニア関東連盟審判部技術委員(練馬シニア所属)。NPO法人Umpire Development Corporation正会員。関東審判倶楽部(KUC)アドバイザー。東都学生軟式野球連盟嘱託審判員。

監修書に『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)、『バッティングパーフェクトマスター』『ピッチングパーフェクトマスター』(別冊ルール解説、新星出版社)がある。インタビューおよび寄稿に「中学野球小僧」(白夜書房)2006年7月号「実戦で役立つボーク完全解説」p114~121、2007年1月号「ぼくらの野球用具大特集」p46、2007年5月号「7つの場面で徹底理解するランナーのルール」p162~169、2008年5月号「中学球児のためのグラウンドルール&マナー講座」p114~119など。

主な出場記録は以下の通り。
【リトルシニア】
日本選手権大会(00~07、09~15)
全国選抜大会(02、04~05、07、10、13、15)
ジャイアンツカップ(01~02、06~07、09~15)
【プロアマ交流戦】
茨城ゴールデンゴールズ対NPB選抜「フューチャーズ」球審(2007.5.31 水戸市民球場)
【BCリーグ】
2007年公式戦6試合出場
2012年公式戦2試合出場
2013年公式戦37試合(うちGCS2試合)/NPB交流戦1試合/OP戦2試合出場
2014年公式戦(集計中)
【四国・九州アイランドリーグ】
2008年公式戦55試合出場/NPB交流戦2試合出場
【女子プロ野球リーグ】
2015年公式戦(集計中)

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