『わかりやすい野球のルール』粟村哲志のブログ

『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)監修者である現役野球審判員のブログです
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フェア/ファウルの基準④

今回はルール解説というよりは審判法の解説なのですが、MLBの動画で少し勉強したいと思います。まずこの動画をご覧ください。



止めたバットに投球が当たり、三塁線を転がりました。三塁手はギリギリのところで「ファウルになる」と判断して捕球せずに見送りましたが、打球は三塁ベースに当たって大きく跳ねてしまい、結果として二塁打になりました。

打球が何にも触れることなく塁ベースに当たればフェア確定です。塁ベースはフェアとファウルの基準点ですから、ゴロの打球が塁ベースの上を通過すればフェアになるわけですが、ベースにはわずかながら高さがあるので(3~5インチ)、打球が当たってしまうこともあります。

当たり前の仕事をしていると言えばそうなのですが、このときの三塁塁審がしっかり打球を見定め、打球が自分の方に跳ねて来ても慌てずに身をかわしてサッと力強くフェアのコールをしているのが、何ともカッコよく決まっていると思います。審判員にとって大切なことは慌てないこと、そして説得力のある、わかりやすいジャッジをすることです。とても参考になるスタイルだと思います。

そして、わかりやすくフェアを入れた後も、三塁にやってくる走者のことを意識に入れながら、打球にも注意を払いつつポジションを移動しています。実際にはプレイになりそうにないので、慌てることなくゆっくりと下がっているのも見習うべきポイントだと思います。

得てして、経験の浅い審判員は、フェアのポイントを真横に入れられなくて、ちょっと下方向を指差してしまいがちですが、ファウルラインの右か左かを教えてあげることが大切なので、この動画のように真横に出せるといいですね。また、決して慌てないこと。予測と準備が何よりも大切です。

あと、打球の性質を見て、マスクオフしながらしっかり三塁線をキープしようとしている球審の姿も確認できます。これもまた基本的ですが大切なことですね。

これを「止めたバットに当たったタマがベースに当たって二塁打になっちゃった」で終わらせてしまえば何ということはない動画なんですが、審判員にとって、とても大切な基本が詰まっているのでご紹介しました。こんなカッコいい審判を目指したいですね!

最後に蛇足のような話ですが、この動画のタイトルは「check-swing double」(止めたバットで二塁打)です。ちょっと物知りの審判の人で、「ハーフスイングの確認リクエストをすることを“チェックスイング”と言うのだ」と思いこんでいる人をたまに見かけますが、違います。「チェックスイング」というのは、「ハーフスイング」と同じ意味です。英語のcheckには、日本人が良く知っている「照合する、確認する」という意味もありますが、「~を急に止める」という意味の方が第一義的なんです。語源的には「阻止する」意味合いですね。

ですから、"checked swing"というのは「打とうと思ったけどやっぱり止めたスイング」=ハーフスイングのことです。「チェックスイングのリクエスト」のことを「ハーフスイングのチェック」というような言い方で間違えて覚えていた人は、こっそり直しておいた方がいいですよ(笑)。

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プロフィール

粟村哲志

Author:粟村哲志
1975年8月4日広島県生まれ。早稲田大学卒。早大在学中に、故・西大立目永氏に師事して審判を学ぶ。リトルシニア関東連盟審判員、東京都野球連盟(JABA)審判員等を経て、2007年から国内独立リーグで活動。2007年北信越BCリーグ、2008年四国・九州アイランドリーグ、2012BCリーグ、2013~2014年ルートインBCリーグ(クルーチーフ)、2015日本女子プロ野球リーグで審判員を務める。

現在は、リトルシニア関東連盟審判部技術委員(練馬シニア所属)。NPO法人Umpire Development Corporation正会員。関東審判倶楽部(KUC)アドバイザー。東都学生軟式野球連盟嘱託審判員。

監修書に『わかりやすい野球のルール』(成美堂出版)、『バッティングパーフェクトマスター』『ピッチングパーフェクトマスター』(別冊ルール解説、新星出版社)がある。インタビューおよび寄稿に「中学野球小僧」(白夜書房)2006年7月号「実戦で役立つボーク完全解説」p114~121、2007年1月号「ぼくらの野球用具大特集」p46、2007年5月号「7つの場面で徹底理解するランナーのルール」p162~169、2008年5月号「中学球児のためのグラウンドルール&マナー講座」p114~119など。

主な出場記録は以下の通り。
【リトルシニア】
日本選手権大会(00~07、09~15)
全国選抜大会(02、04~05、07、10、13、15)
ジャイアンツカップ(01~02、06~07、09~15)
【プロアマ交流戦】
茨城ゴールデンゴールズ対NPB選抜「フューチャーズ」球審(2007.5.31 水戸市民球場)
【BCリーグ】
2007年公式戦6試合出場
2012年公式戦2試合出場
2013年公式戦37試合(うちGCS2試合)/NPB交流戦1試合/OP戦2試合出場
2014年公式戦(集計中)
【四国・九州アイランドリーグ】
2008年公式戦55試合出場/NPB交流戦2試合出場
【女子プロ野球リーグ】
2015年公式戦(集計中)

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